エネルギー準位
またまた寄り道しそうだから
むりやり話を戻そう
原子は原子核と電子で出来ているってことにするよ
原子単体で考えると
原子核の周りには
電子が存在できる場所(軌道)と
存在できない場所があるってことは
わかっているらしいんだ
これが結晶体になっても同じことが起きる
単一原子内だけの話じゃなくて
原子と原子がくっつき合ったエネルギー準位にも
電子が存在できない場所が当然あるってことだね
電子が存在できない場所(空間)を
禁制帯って呼ぶらしい
電子が居られる場所が
エネルギー準位ってことなのかな
結晶体の中は電子のいられる場所と
存在できない場所の縞模様を描いている
そんな感じなのかもしれない
その縞をバンドと呼ぶって解釈 でいいのかも
だから 原子単体ではこのバンドってのは
意味を持たないようには思うね
結晶体(固形体)の場合無数の原子がくっついている
エネルギー準位ってものは
原子が結合するごとに分裂しちゃうという特徴がある
と いうことは
結晶体には無数のエネルギー準位が存在する
ということになっちゃうんだろうな
と すると どうなるのか?
基本 原子が結合して結晶体(個体)になるよね
だから 本来は
価電子(原子の一番外側をまわっている電子だね)は
移動したりはしないはずなんだ
だけど 無数の原子が詰め込まれた固体は
エネルギー準位も大量にあるってことになっちゃう
大量にあるってことは
その間隔も大量に狭い間隔で
並んじゃうってことだよね
価電子帯・伝導帯
銅の結晶体(塊)を思い出してみよう
銅の結晶体は銅のプラスイオンと
それにまとわりつく自由電子で構成されている
そう書いたよね
自然っていうのは
エネルギーが低い状態を好むらしい
安定志向と言ってもいいかもしれないけど
電子っていうのも極力低いエネルギー準位に
居たがる性質があるってこと
電子にとっては
結晶体の中でも本当は自由電子になんかなりたくない
というのが本音(たぶん)
結晶体だからといって
自由電子になる電子の方が少数派で
ほとんどの電子は
原子の殻に閉じこもっているんだね
だから 原子本体は
ぎちぎちに電子が詰まっているってことになる
自由電子が出来ちゃうっていうのは
本体に外部からなんらかのエネルギーが
加えられて電子が放り出されちゃった
そんな感じじゃないかな
自由電子は放蕩息子というよりも
勘当された息子 そう言ってもいいかもしれないね
むりやり出ていかされた
かわいそうな電子ってことなんだ
本来 安定しているはずの中心の本体のことを
『価電子帯』
むりやり放り出された自由電子のいる場所を
『伝導帯』って呼ぶそうだ
これが『バンド』ってことだね
禁制帯
電子は存在できるエリアが決まっちゃっている
言い換えれば
電子が存在できない空白地帯があるってこと
なぜ存在できないのか?
それこそ波動なんかの話になっちゃうのかもしれない
電子は 飛び飛びの値をとるってことは
観測の結果でているし 数学を使えば表せるんだろうけど
ひとまずはそんなもんだとしておこう
この電子が存在できない空白地帯を
『禁制帯』と呼ぶそうなんだ
価電子帯というバンドと
伝導帯というバンドの間にある空間だから
『バンドギャップ』と言われるほうが
多いらしいけどね
バンド間の電子の移動
禁制帯(バンドギャップ)には電子は存在できない
と いうことは
価電子帯から伝導帯に電子が移動するためには
その溝を飛び越えなきゃならないんだ
そのためには それだけの
エネルギーが必要になっちゃうってことだね
そのエネルギーの大きさは
計算式が出来上がっている
けっこういろいろなところで出てくる
E=hv
これが電子にかかるエネルギーってこと
やっとここで
『光電効果』のところに戻れるね
Eは光のエネルギー
hはプランク定数
vは光の振動数
自然界は安定を求めている
(と いうことになっている)
だから エネルギーが満ち溢れている状態は
落ち着かないらしい
だから できるだけ低いエネルギーの場所に
戻りたがる そうだ
光のエネルギーを与えられた電子は
一刻も早く光のエネルギーを放出して
戻っていこうとするらしいけど
これはまた別のはなしにしよう
今は バンドギャップのはなし
バンドギャップの大きさによって
電子がその溝を超えやすいのか
なかなか超えられないのかが決まっちゃう
さあ これでやっと
導体・絶縁体そして半導体のところに
戻れそう かな